分娩室へ~そして誕生~ -出産編③-

出産ダイアリー
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入院から24時間経過し、ついに陣痛室から分娩室へと移動。

出産に立ち会う僕は、間もなく分娩室へ呼ばれ入っていきました。そこには、ぐったりして苦しんでいる妻がいました。

分娩台の妻

さっきまで陣痛室で、一緒に陣痛の痛みを緩和して、夜が明けるまで頑張っていた2人ですが、いざ分娩室へ入室して、分娩台の上に乗っている妻を見ると、更に一段と消耗しているように見えました。

分娩室内は、妻が事前にセレクトしたCDで音楽が流れていました。事前に作っていた僕たちのバースプランです。

ここではモニター機器も装着されているので、陣痛の強さの数値(?)みたいなのをリアルタイムで見ることが出来、その数値を気にしながら妻のサポートをずっとしていた感じです。

数値が上がってきたら、妻に「来るよ」って伝えて、例の如く肛門付近をおもいっっっきり拳で押す!数値が下がるまで、絶対に力を緩めないで押し続ける。それを、永遠とも思える時間続けました。

特に、この段階での陣痛は、本当に痛いようで、見ているこっちがツライ。少しでも痛みを緩和しようと、もう右手の感覚がなくなるくらい、腕の力を使い果たしてました。

信じられないほど大変だったけど、大切な時間だった

痛みが来ると、妻は声を上げて苦しんで耐えるわけです。こっちは、右手が壊れそうなくらい何時間も押し続けて、2人とも汗だくで…。でもこの分娩室での時間は、本当に僕にとって特別なものになりました。

この時ほど「こんなに大変な思いをして自分が生まれて来て、そして育ててもらったのか」と、生きていることに感謝したことはなかったです。両親への感謝が溢れてきて、まさかこんな気持ちになるとは思っていもいませんでした。

言葉にならなかった言葉

そして、目の前で痛みに耐え、苦しんで、でも必死に赤ちゃんを産むため進んでいる妻に、とてつもない感謝が溢れてきたのを鮮明に覚えています。

何度も「頑張ってくれてありがとう」って声をかけたかったんだけれど、込み上げてくる感情を抑えるので限界で、喉元まで出かかって、言葉にならなかった。それぐらい、妻は必死に闘っていた。

その時理解しました。

女性には勝てない、と。出産の前に、本当に男は無力。

母は強い。

間違いないです。

そして、産まれる。

お昼も過ぎ、分娩室へ入ってから数時間が経過。入院してからだと、実に30時間以上経過しました。陣痛らしい陣痛がき始めてからは、12時間くらいでしょうか。

分娩台の上でいよいよ出産の態勢になり、最後の時間が始まりました。

声を出していきむ妻。覚えているのですが、その様子を見ていた時、本当に妻が死んでしまうんではないかと思うくらい、それくらい全力だった。『全身全霊』ってこれだよ。

横に立って、妻に手をかけて、上を向むいてないと零れてくる涙を、なんとか抑えようとして、そんな最後の時間でした。

そして、ついに来た生命が生まれる瞬間。

僕たちの赤ちゃんが、娘が、外へ出てきて、一瞬の静寂の後、

「オギャァー」

最高の感動とは

僕は、今まで色んな美しいものや、作品、映画、景色、出来事。見てきたつもりでいたけれど、この『出産』は、これまでの全て、そして今後の人生でも、これ以上感動することはないって、その瞬間確信した。

それぐらい感動する出来事でした。

生まれてきてくれてありがとう。

新米パパになる皆さん、可能ならば、無理してでも、出産には立ち会うことをお勧めします。

(つづく)

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